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【UTTOCOな人】近藤七恵さん_vol.44

更新日:2023年11月3日


 伏見地域には子育て世帯のみなさんがお住まいです。現代社会では共働き世帯が増えており、なかなか家事をする時間がとれないという悩みをお持ちの方も多くいらっしゃるのではないのでしょうか。そんな世帯を「食事づくり」の側面からサポートしていく活動を行っているNPO法人KYOTOごはんサポーター代表 近藤七恵さんにお話をお聞きしました。



Q.取り組みの概要を教えてください。

 京都を拠点に、産前産後や子育て世帯のご家庭の、その家の冷蔵庫にある食材と調味料を使って、数日分の作り置きおかずを作る「ごはんサポーター」として活動しています。


Q.「ごはんサポーター」という取り組みは聞き馴染みのない方が多いと思います。その活動をどのようにして知ったのですか?

 活動のきっかけは2人目を自宅出産した際の経験です。その時、産後のしんどい時期でしたが、家族をはじめ、手伝ってくれる人が周りにいませんでした。今は環境が変わりましたが、家事代行サービスなども当時はあまりなく、どこに頼めばいいかも全くわかりませんでした。


 産後、家事全般や洗濯なども困りますが、特に食事の準備が大変ではないでしょうか。困り果てていたときに、当時担当の助産師さんが栄養士を紹介してくださいました。その方は、子育て経験も豊富な方でした。「ご飯づくりは得意だから行ってあげるわ」と急遽、私のご飯を作りに来てくれたんです。


 来てもらえるだけでありがたく、上の子どももまだ幼稚園に行っておらず、預かり保育に行かせながら、家庭をなんとか回している状況でした。結果、1ヶ月くらい来てもらいました。後に、その方が産後のお母さんの支援をお仕事にされました。「そういうこともお仕事になるんだ」と関心を持つようになりました。


Q.ご自身がサポーター的に支えてもらった経験があるのですね。そこから活動が生まれていったのですか?

 お世話になった助産師さんから「つわりがしんどいお母さんがいるからご飯づくりに行ってもらえない?」という声をかけられました。困っている人がいて私自身も助けられた経験があるため、お役に立てるのなら、という気持ちで行きました。


 実際に行ってみると、つわりがかなり酷く立っていられないほどの方でした。冷蔵庫にある食材を活用して7〜8品作りました。やっぱりご主人も困っておられたようで、ご夫婦がとても喜んでくださいました。私のしていることを通じて、ダイレクトに感謝を伝えていただき、していることが役に立っているんだと感じました。このようなコミュニケーションがとれることそのものに喜びを感じています。


 そこから個人として、食事づくりのサポートを私もはじめ、口コミやご紹介が広がっていき今に至っています。


Q.ごはんサポーターとしての印象的な現場はありますか?

 突然連絡が来て「緊急帝王切開で急遽今日生むことになったんだけど、何とかサポートお願いできませんか?5日後には退院です。」というケースがあり、私もたまたま行くことができました。こういうフットワークの軽さも私達のよいところだと思います。


 緊急で、しかも帝王切開ということで、お母さんやご家族は不安だったと思いますし、同じことを経験しているからこそ不安がわかります。そこを少し軽くできただけでもよかったなと思いますね。


Q.ごはんサポートのご依頼はどのような方がされることが多いでしょうか?

 取り組みを開始した当時は産前産後や子育て世代の方からお声がかかることが多かったですが、今後は団体として、それらの世代に留まらず、様々な世代や状況の方へサポートの範囲を広げていく予定です。


 サポート代行には「お金持ちが利用するもの」というイメージがあるかもしれませんが、基本的には「体や心を休ませる」ということだと思います。浮いた時間を「ちょっとだけ好きなものの買い物に行きたい」という時間に充てる方もいらっしゃいますし、逆にお料理の好きな方だと「横で作り方を見たい」という方もいらっしゃいます。浮いた時間をどう過ごすかは、その方の状況によって様々です。


 産前産後の例であれば、京都市のファミリーサポートや産前産後ケアのサポートは充実していますが、それを受けた場合は制約もあります。制度で補いきれないお母さんたちに寄り添うことができるのも大事なことだと思っています。退院して自宅での最初の期間に少し手助けがあると、お母さんたちにとっては全然違うと思います。


Q.みなさんはNPO法人として法人格も取得されました。任意団体である道もあったかと思うのですが、チャレンジはどうしてされたのですか?

 ある時、口コミを通じてサポートに伺った方から、「素晴らしいサービスだから本格的にやった方がいいよ」と言って頂き、チラシのデザインをされている方や、NPO法人の設立に詳しい方をご紹介いただきました。そこまで深く考えてというよりも、周りのみなさんの声をうけて進んでいきました。中には、金銭の支払いではなく、「サポート1回分で十分」と言ってくださる方もいました。


 最初は法人運営の知識もなかったのですが、お母さんの課題解決!とかそういう大きな気持ちというよりも、料理をする場が欲しくて始めたことでした。


Q.ごはんサポーターを増やしていく講座もスタートされていますね。こちらの講座への思いを教えてください。

 ごはんサポーターの方たちが増え、活動を広げていくことを目的に、講座を始めています。モニターとしての開校時には8名の方が参加してくださり、今は認定で活動されている方が3名いらっしゃいます。(2023年9月取材段階)


 「子育てをしながら自分の時間も大事にしつつ、家庭も大事にしつつ、でもお仕事をしたい」という受講生が多く、ダブルワークとして、土日を中心にライフワークとして活動されている方もいらっしゃいます。お子さんが保育園や幼稚園、小学校に通っている時間を利用して働いている方もおられます。


 また、もともと栄養士の資格をお持ちの方等であれば、その資格を活かした新しい働き方になります。資格でなくても、料理が好きな方がそのスキルを誰かのために活かすきっかけや、つながりの場としての活動にも注力をしていきたいと思っています。


 受講生がサポーターとしてのスキルを身につけ、自立して働けることも目標ですが、講座の卒業後のサポートや、ごはんサポーターの勉強会などを行うコミュニティを運営したいと思っています。同じサポーター同士のコミュニティでもあり、同じ子育て期を、みんなで一緒に過ごすコミュニティでもあります。


Q.最後にこの記事を読まれた方にひとことお願いします。

 お母さんにもっと自分を大事にしてほしいと思っています。産後の女性は時にうつ気味になり、中には自死を選択される方もおられます。医療が充実してきている中で、心のケアが重要と言われています。自分自身も心のケアの重要性を体感しました。


私にできることはご飯づくりに行くことですが、そこでちょっとした会話や、どうしても大変そうなことがあれば知り合いの助産士さんにつなげたり、「もう大丈夫だよ」と言ってもらうだけで全然違うと思います。


この取り組みを多くの方に知っていただきたいと思っています。

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