近鉄桃山御陵前駅から徒歩10分。坂本龍馬ゆかりの寺田屋近くにある竜馬通り商店街で『肉匠森つる』を経営しながら、約20年の歴史がある竜馬通り商店街の理事長を務めていらっしゃいます。
理事長の仕事は5年目になるそうです。就任は商店街に来て1年目、当時29歳の時でした。若い人が理事長になることは異例のことだったそうですが、そのおかげで商店街にどんどん新しい風を吹かせてきました。
今回は、そんな森さんに竜馬通り商店街の魅力やイベントのお話をお伺いしました。
「竜馬通り商店街振興組合」理事長 森一起(もりかずき)さん
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みんなが楽しめるイベントを!
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━━竜馬通り商店街では、どのようなイベントを運営されていますか?
商店街の食べ歩きやスタンプラリーなどを楽しめる「龍馬祭」や坂本龍馬に所縁のある鯖と軍鶏を使った創作料理を競う「SHABA-1(しゃばわん)」グランプリなど、飲食系イベントを多く開催しています。イベントの企画は、自分たちで決めています。僕は以前、女性向けバッグの製造販売の仕事をしていました。
その経験を基に、お客さんに商店街で買い物をする楽しさを知ってもらうには、何が一番いいかを考えて行動しています。 「新しい事をしている商店街だな」と注目してもらい、商店街の活性化にも繋げていきたいです。そのためなんでもやっていこうという姿勢で活動しています。
━━イベントで大切にしていることはなんですか?
イベント中は僕たち運営側も、楽しむことを大切にしています。店主やスタッフ、皆がお祭り気分で賑わい楽しむことで、店舗間も仲良くなり、助け合いができ、普段の繋がりにもなります。商店街以外の近隣のお店も呼んで一緒にイベントを開催しています。お客様も店主や飲み仲間との出会いを作るきっかけにもなっていて、商店街特有の入りにくさも解消しています。
━━出店者や参加者の反応はどうですか?
おかげ様でイベントは盛況です。京都のクラフトビール醸造家たちと交流しながらビールが楽しめる「クラフトビール大会」は、人が多くて前に進めないほど人気がありました。他のイベントも商品が売り切れてしまったり、予定の売上を上回ったりすることもあります。皆さん楽しんでくださっているようなので嬉しいです。
「竜馬祭」竜馬パレードの様子
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商店街は家族
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━━どのような商店街にしたいと思って活動されていますか?
家族のような商店街、皆にいいねといってもらえるような商店街にしたいです。お店の人がお父さんやお母さんのようなアットホームな集まりにしたいと思っています。
竜馬通り商店街は「温かさ」があります。困っていることについて教えてくれ、仲がいいです。他店に行き、集まって飲み会をすることもあります。盛り上げていこうという想いを持つ方が多いです。
今後も家族みたいにもっと距離を縮めて、みんなで色々なイベントや企画を作り上げていきたいなと思っています。
周りの方にも「伏見区に面白い商店街があるみたいやで」と言われるような商店街を目指しています。
━━森さんが大事にしていることはなんですか?
商店街の理事としては「ずっと挑戦し続けること」を大切にしています。もし上手くいかないことがあっても、すぐやり方を変えてやり直す、というスピード感を常に意識していますね。
━━理事長のお仕事をしてよかったことはなんですか?
いろんな方と出会えたことですね。今まで行政の方と仕事をしたことはなかったですし、地域の方との関わりもありませんでした。でも、今はお店の方や、近くの商店街の方とも仲良くなり楽しくやっています。いろいろな人との繋がりができたことがとても良かったです。
商店街の皆さんの集まり
━━森さんにとって伏見はどういう場所ですか?
今となっては私の一部です。東京にいた時もありますが、生まれは伏見区です。
以前は、地域のことは考えたことはありませんでしたが、地域奉仕を勉強するようになりました。今後はもっと伏見の集まりを良くしていきたいですね。
━━最後に、読者に対してメッセージはありますか?
是非一度、竜馬通り商店街に遊びにきてください。面白いお店が増えており、お店同士もとても仲が良いです。お店で買い物をされたお客様に、他のお店の紹介をすることもあります。このようなときですが、人とふれあってほしいですね。商店街は人ですから、そこに商店街の良さがあります。
「 SHABA-1(しゃばわん)グランプリ」集合写真
編集後記
「商店街は人、家族だ」という森さん。言葉に迷いがなかったのが印象的で、何気なく歩いていた商店街をこんなに愛情を持って大切にしている人がいるということに私も心が温かくなりました。
商店街は地域の人と人が触れ合う一番身近な場所なのかもしれません。
(市民ライター 角谷恵さん)
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