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執筆者の写真伏見いきいき市民活動センター

【伏見ローカル名鑑】2020龍谷大学キャップストーンチーム_vol.7

更新日:2021年3月6日

 龍谷大学の大学院生と地域の中小企業がともに、地域の課題解決を行う「龍谷大学キャップストーン」。毎年地域に密着したテーマをもとに活動をされています。今回は、「龍谷大学キャップストーン」の取り組みについて担当の龍谷大学の白須教授にインタビューさせていただきました。

            龍谷大学政策学部 教授 白須正先生



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大学院生と中小企業が地域の課題に取り組む

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━━龍谷大学キャップストーンチームについて教えていただけますか?


 「龍谷大学キャップストーンチーム」は、龍谷大学大学院政策学研究科の授業の一環として行っています。今年度のメンバーは、大学院政策学研究科の院生と京都中小企業家同友会伏見支部(以下、同友会)の皆さんで、地域の抱える課題を一緒に解決していきます。

 「龍谷大学キャップストーンチーム」では、毎年地域に密着したテーマを取りあげています。2020年度は、①伏見区のなかで域内経済循環を高めること、②防災のときに中小企業が地域でどのような役割を果たすのか?についてがテーマです。2つのチームに分かれ、今年度は中小企業家同友会の会員の方にアンケート調査を行い、2月の例会、3月のパネルディスカッションで発表します。

               大学での発表会の風景



━━京都中小企業家同友会の方と一緒に活動をされている理由は何ですか?


 京都市でここ何年か、中小企業の役割が大切という議論がされてきました。中小企業の特徴は、規模ではなく地域に密着しているところです。これを“地域企業”と定義しました。地域企業で働く人は、京都の地域活動や伝統行事を支え、昼間も伏見にいます。これからの京都を考えるときに、とても重要な存在です。

 龍谷大学大学院政策学研究科は、地域の抱える問題を解決していく人材を育てることを目的としています。同友会の方は、現実の問題を教えてくれるので、実践的な学びができます。また同友会の方も、一緒に地域の課題解決しながら自分たちも成長したいと思っておられます。



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地域で果たすそれぞれの役割を考える

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━━今年のテーマを「域内経済」、「防災」にされた理由はどうしてでしょうか?


 域内経済とは、「地元で物を買い、地元で仕事をつくる」ということです。域内経済が少しずつ増え、伏見の中で経済を回すことが必要だと思っています。そのために、経済循環がどのように伏見の中で行われているのかを知るためです。

 また、最近全国的に自然災害が多く発生しています。伏見は水も浸かりやすい所です。防災は、市民の方にとっても重要で、関心を持っていただきやすいテーマだと思いました。中小企業で働く人達は昼間も地元にいるため、今からどんなことができるのか?を考えて、いざという時に備えたいという考えです。



━━伏見は、白須先生から見てどのような町ですか?


 古いものと新しいものが共存した、可能性を秘めた町だと思っています。伏見稲荷大社が有名ですが、他にも酒蔵、商店街や農業、産業も盛んです。これらは普段はあまり目が向けられていませんが、伏見の大きな財産です。「伏見の魅力を生かすためにどうしたらいいか?」を今後も考えていきたいです。

       伏見区における域内経済循環実態調査試行報告会の様子



編集後記


 今回取材させていただき、白須先生の活動の原点には、伏見に対する思いがあることが伝わってきました。「伏見は可能性がある町で、伏見の魅力を生かしたい」と言われていたことが心に残りました。私も住んでる場所を好きになりたいですし、誇りを持てることが素敵だと思いました。

 また、「地域の中で経済を回すのが良い」と言われていたことも心に残りました。昔から地元で愛されているお店がなくなるのは悲しいことです。経済を地域で回すことで、お店も続き、観光としてもにぎわうのかなと感じました。

 そして全体を通して感じたこととしては、白須先生は横の繋がりをとても意識されているようでした。コロナ禍でお家で過ごすことが多くなった現在、またこれから自然災害が起こったとき、一番大切なのは人との繋がりだと感じます。助け合うからこそ、どんな状況でもまた頑張ろう、と思えるはずです。

 また、「自分たちがモデルとなって、伏見以外でも全国で活動が広がったらいい」ととても熱心に話してくださいました。キャップストーンチームさんの活動は、いまの日本が必要とするものなのかもしれません。


(市民ライター 宮林沙也子さん)

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