伏見区向島、むかちゅうセンターにて活動を行う「向島ユースセンター」は、地域の若者の居場所となるよう、平成29年度に向島ユースセンター実行委員会が設立しました。コロナ禍での変化や向島という地域でアウトリーチに活動する意義について、実行委員長の長澤敦士さん、ユースワーカーの國兼淳さん、竹田明子さんにお話を伺いました。
「向島ユースセンター実行委員会」実行委員長 長澤敦士さん(写真右)
ユースワーカー 國兼淳さん(写真左)、竹田明子さん(写真中央)
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知らないうちに人の生き様に触れる場所
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━━向島ユースセンターの活動について教えてください。
國兼: メインはむかちゅうセンターの体育館の利用者です。若者が活動している中に大
人が入り、話をしたり悩みを聞いたりなど、少しの成長のそばにいるということをし
ています。
━━ユースセンターの意義はなんですか。
竹田: 無料で自習室を使うことができ、体育館で遊ぶこともできます。
また、誰かと知らないうちに出会うことができ、生き様に触れることができます。
大学生が真剣にボランティアしている姿、踊っている姿や音楽活動をしている姿を
ロビーにいる若者たちは当たり前のように見ています。それが、誰かの生き様に触れ
るということです。
━━向島ユースセンターの利用者の声を教えてください。
長澤: 利用者のみなさんからの声が毎回、私たちの耳に届いているわけではありませ
ん。しかし、「来る」という行為がすべてを表していると思います。毎週来てくれた
り、時々思い出した時に来てくれたり、その若者の頭の片隅にあるということ自体に
意味があると受け止めています。そのため、あえてこの場所について声に出してもら
わなくてもいいと思っています。
ユースセンターで、みんなで集まりごはんを食べている様子
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全ての若者の拠り所に
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━━向島という地域で活動する意義を教えてください。
竹田: 小学生や中学生は行動範囲に制限がありますよね。また、コロナ禍において移動
距離がある場所に行くことが難しくなっています。そのような状況のなかで、身近な
場所で生活に必要なお買い物だけでなく、文化的なものにも出会える機能が必要だと
感じていました。そのため、若者のアクセシビリティ(利用しやすさ)を考えると、
向島に独立したユースセンターがあることは意義があると思います。
━━コロナ禍で感じたことはありますか
國兼: 緊急事態宣言などの外出自粛で、若者の居場所が奪われていくことは心にくるも
のがありました。家庭内にしんどさを抱えている若者たちもひとつの拠り所として、
向島ユースセンターを使ってくれていたと思います。
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地域の人同士の関わり
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━━向島ユースセンターの展望を教えてください。
長澤: 私たちも含めて大学生や社会人以外に今ユースセンターを使ってくれている若者た
ちもボランティアとして参画してくれることで、多様性を出していきたいです。
また、向島まつりでユースセンターとして模擬店を出しました。その際に、利用者
の若者がイベントなどを通して地域参画するきっかけにもなれるといいです。
竹田: 若者の素朴な動作・語りの中にはその若者の蓄積された生活が見える瞬間があり、
私はそれに触れた時、感動します。皆さんも若者の微細で素朴な、見ようとしないと
見えてこない日常に触れてみたいと思いませんか。
インタビュー当日の様子
編集後記
向島やユースセンターという身近な場所について新しい視点で知ることができました。私もユースセンターを利用させていただくことがあります。自分の時間を自由に有意義に過ごすことを目的にされていることを、今回の取材で知り嬉しくなりました。
(市民ライター 江口美桜さん)
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