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次世代に知ってほしいFantasticな伏見の会社vol.1_2018 岡山工芸[学生ライター]


日本を代表する着物。今回取材させていただいた岡山工芸さんには、着物を手作業で染める手描き友禅の職人さん達が全国から集まっています。その職人さん達によって一つ一つ描かれたモノが、深草西浦町にある工房から全国、世界へと広がっていきます。

そんなきめ細やかな手描き友禅の魅力と共に、日本の伝統を受け継ぐ仕事について、社長である岡山摩紀さんにお話しを伺いました。

Q.「手描き友禅」とはどのようなものでしょうか?

日本の伝統工芸品に、「京友禅」というものがあります。江戸時代に京都で人気があった絵師の名前の一部である「友禅」から、この絵師の染色技法で作られたものを「京友禅」と呼ぶようになりました。

色彩が豊かで、まるで絵画のように細かい模様が染められているのが特徴です。現在、染め方には「手描き友禅」と「型友禅」の2種類があります。

明治時代で化学染料が取り入れられたことから、「型友禅」ができるようになりました。それとは逆に、岡山工芸では、一つ一つ職人の手によって染める「手描き友禅」を作っています。  

着物はやはり良いです。日本人が育ててきた衣装であり、文化的、衣装の歴史とも言えるでしょう。世界的に見ても素晴らしく、だからこそ価値が高くなるのだと思います。

『馬子にも衣裳』とも言いますが、着物を着るといつもよりもおしとやかにふるまいたくなるでしょう。いつもと違う自分になれるのです。そういうチカラが着物にはあります。  

そして、手描き友禅は何より美しいです。女性が着た時に華やかに見えます。この「美しさ」「華やかさ」は手描き友禅の魅力であるでしょう。つくっていてとても楽しく、今でもつくり続けさせていただいていることを有り難く感じています。

(手描き友禅による彩色)

Q.この仕事に就かれた「きっかけ」は何ですか?

この会社は、私の両親が設立しました。父は、もともと親戚のもとで染色の仕事を手伝っていました。一方で母は絵が大好きで、着物に描くようになりました。そして二人で岡山工芸を創業し、現在50周年を迎えました。

最初は二人きりで注文を受けたものをつくっていましたが、注文が増えて人手が足りなくなったことから人を集めてつくるようになりました。  

私は会社と共に育ってきました。生まれた時から、職人を見て育ってきました。大学卒業後は、両親から「継いでほしい」といったことを言われなかったこともあり、パソコンのシステム会社である一般企業に就職しました。しかしその仕事は毎日パソコンの前で、私には合っていなかったのか、四角いものが嫌いになってしまいました。豆腐を見るのも嫌になり、テレビも見なくなりました。

大人になって改めて実家の仕事をみると、新たな見え方が出てきました。子どもの頃は「辛気臭い」や「ダサい」など、ちまちました手仕事で、今の時代このようなものはいけないと思っていました。

しかし大人になり、子どもの頃には見えなかった「良い面」が見えてきました。取引先の方や関係者の方々の有難さも分かり、2代目としてこの会社を継ぎました。

昔は職人として描いていましたが、今は会社としての仕事をしています。取引先へのフォロー等、会社全体を見ての仕事です。そうすることによって職人さん達は作業に集中することができ、より良いものが出来上がります。

職人は、北海道から九州まで全国から集まっています。日本だけでなく、海外からも「つくりたい」と言って来てくれる職人がいます。そのような職人が、手間暇かけて一つずつ色を塗っているのを知ってもらいたいと思っています。今では学校の授業や社会人等、多くの世代に見学に来ていただいております。

 (職人さんの作業風景)

Q.次世代を担う子ども達へ向けて「メッセージ」をお願いします!

何でも好きなことがあれば、好きなだけしたらいいと思います。あれもこれも、満遍なくできなくても構わないと思います。優等生でなくても構いません。何か一つしたいこと、自分がこれと思ったことがあったら、是非それをしてほしいと思います。そうすることによって、後悔することもないと思われますし、何より楽しいでしょう。大人になっても好きな職に就けますし、好きなものでしたら辛抱できると思います。

『したいことを したいときに したいだけ』

☆岡山工芸 社長 岡山さんの「ここがファンタスティック!!!」

美しい手描き京友禅が好きでおられるというのが、とても伝わってきました。取材の際も、京友禅の美しさや着物の素晴らしさについてたくさんお話して下さいました。

小物や帯を見せて下さる時も、一つ一つに「綺麗やわぁ」と言っておられました。本当に、今の仕事のモノが好きでおられることが伝わります。

また、取引先などの関係者だけでなく、職人さん達など会社で働く方たちも大切にしておられます。職人さん達が快適に作業できるように工夫されていたり、職人さん達を家族のように心配されておられたりしていました。

皆さんのお母さんのような印象を受けました。

Fantasticな企業

企業名   :岡山工芸

インタビュー:岡山摩紀さん

ホームページ:http://www.okayama-kougei.com

取材日   :2017年12月21日

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学生ライター企画記事

龍谷大学政策学部Ryu-SEI GAP学生チーム もりもり☆キッズ執筆

本事業は学生団体の活動を本マガジンに掲載し、広く地域に発信していくためサポートをするものです。記事の内容については学生団体までお問い合わせください。

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