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【For Localプロジェクト】特定非営利活動法人 京都 DARC スタッフの出原和宏さんへインタビュー

更新日:2020年7月19日

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京都DARCは薬物依存症回復施設です。薬物をやめたい気持ちでDARCへ来られるが、再使用してしまう利用者さんもいます。回復していくために共同生活や毎日のミーティング、ボランティア活動にも参加されています。

今回、お話をお聞きしたのは京都DARCスタッフの出原さんです。京都 DARC では、薬物依存症からの回復者がスタッフになり、出原さんもそのひとりです。出原さんはご自身の経験から利用者さんに対して、相手の気持ちをきちんと聞くことを大切にし、1日薬物を使わない事を選択してもらうよう取り組んでいます。

今回は、京都DARCさんの活動理念や出原さんの想い、コロナ期間での活動状況をお聞きしました。

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Q.京都DARCでは「セルフヘルプ」の精神を大切にされていますが、どのような事なのか教えてください。


日本語に訳すと自助と言われますが、相手を助けていること自体が自分にとっての回復、助けになっていると思います。依存症は、治らない病気であるため、回復し続けないといけません。回復し続けるためには、自分のことだけではなく他の仲間のことを想い、行動することが「セルフヘルプ」だと思います。私自身、仕事ではありますが、仲間をサポートすることが恩返しでもあり、自分の回復でもあります。続けていく事で京都 DARC が私自身の居場所にもなっています。



Q.回復するための「居場所」「時間」を提供されているとのことですが、内容はどのようなことをされていますか?


京都 DARC では主にミーティングを基本的に1日3回行なっています。ミーティングを行なう理由は、「自分の考えが一番」と思ってしまう依存症の方がいるためです。自分の過去を認めて話すことや、京都 DARC は話していい場所、他の人の体験談を聞くこと、そのようなミーティングの場を大事にしています。人の体験談を聞くことは、自分以外の考えを知るために役に立っています。

また、料理や共同生活を通して人間関係の練習の場でもあります。仲間が衝突した際、私は「あなた方は京都 DARC にこれをやるために来ている」と説明します。人が寄れば問題も起きますが、それを解決しようと努力をすることで自分自身が変わっていく、努力していける「居場所」と「時間」があるのが京都 DARCですね。



Q.ボランティアとして、清掃活動や農作業されている活動風景を Facebook で拝見しました。農作業ボランティアへ行くきっかけをお聞かせください。


清掃は、京都DARCの前にある公園を清掃しています。農作業は、定期的に亀岡へ手伝いに行っています。亀岡のボランティアに行くようになったきっかけは、農作業が好きなスタッフが個人的に行っていたところに京都DARCとしても参加させてもらうようになりました。

その他に井手町でも畑をお借りして玉ねぎやニンニクを作っています。亀岡以外にも高瀬川や東九条のお祭りボランティアも知り合いになってから関わらせてもらう事が多いです。

Q.インタビューの中で「伏見に住む地域住民の方との交流は、まだあまり持てていない状況が課題」とお話をしてくださいました。出原さんの想いをお聞かせください。


学校での授業やイメージで薬物依存症の方に対して「怖い」という思いを抱かれている方もいらっしゃると思います。「依存症は治らない」と言われていますが、回復することはできます。私たち京都 DARC は、回復出来るということを証明していかなければならないと思っています。今、ボランティアで関わっている方や支援者は私たちのことを知り、「怖い」というイメージはないのではないかと思います。まずは、京都 DARC にどのような人が居るのか知ってもらいたいと思っています。

Q.団体への支援として求めている事はありますか。


地域のお祭りなどで私たちと一緒に活動していただければと思います。一緒に活動してくださった方が、周りの人に京都DARCについて話をしてくださるだけでもいいです。京都DARCにどのような人たちがいるのか分かってもらえると嬉しいです。



Q.コロナ期間中のボランティア状況やコロナ対策についてお聞かせください。


ボランティアをし続けるのは大切ですが、感染予防対策をできる限り実施するために、外へ出かける事は禁止していました。

その中で、セカンドハーベスト京都さんの「フードバンクこども支援プロジェクト」のボランティアに参加しました。参加したきっかけは、人手不足で「作業に困っている」という声を受けボランティアに行きました。

コロナ対策については、Facebookで情報発信をしているスタッフが、コロナ対策を徹底して行なっています。例えば、感染症予防のマニュアルを自分たちで作成するなどしました。周りの人に感染してほしくないという想いからです。

また、全員が病院に通っており、電車に乗らないといけない場合はスタッフが車で送迎するなど「接触するのは京都 DARCの者だけ」を心掛けていました。



※京都DARCの活動実態や依存症の実態を知ること、回復を応援したいと思う方も含めて市民社会だということを伝えたく、今回取材させていただきました。有り難うございました。


特定非営利活動法人 京都 DARC

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担当スタッフからのひとこと 

出原さんの想いの場面で「依存症は治らないけれども回復することはできる」という言葉を聞き、私はインタビュー前に自分が勝手に怖い印象を持っていた事に気づきました。この言葉で印象が自然と払拭されていたことに気が付きました。出原さん含め京都DARCのスタッフの方達が、依存を乗り越えたいという助けを求めている人に対して、寄り添う姿勢を取り続けていると分かったからです。「誰かのために」と思っていてもコロナ禍の中で「できない」と判断してしまう事も多いと思います。また、依存症患者や回復施設に様々なご意見があると思います。

イメージで留めるのではなく、まずは「聞く・知る」ことの大切さをインタビューを通して再認識しました。

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