「眼鏡がなかった時代には視力が低いだけでも障害になったように、発達凸凹も安全で誰もが安心して話せる場所が社会にないから障害として扱われていると考えませんか」と語る鈴木さん。 鈴木さんが共同代表を務める凸凹フューチャーセンターさんは、グラフィック・ファシリテーションという手法を用いて、ひとり一人の凸凹を大切にできる場所、みんなでつくるcafeのような空間づくりに取り組まれています。 本日は、凸凹フューチャーセンターさんが実施されているOne day cafe.kyotoというイベントにおじゃまして鈴木さんにインタビューをさせていただきました。
=========================== 団体名:凸凹フューチャーセンター 活動日:不定期で土曜日・日曜日(詳しくはFacebookのイベントページなどで確認してください) 活動場所:伏見いきいき市民活動センターなど 持ち物:筆記用具 雰囲気:20~60代の発達凸凹の当事者・支援者・関係者が立場や肩書きを取り払い自由でフラットな雰囲気で活動されています 参加費:1回800円 連絡先:onedaycafe.kyoto@gmail.com Facebook:onedaycafe.kyoto ===========================
見た目では分からない、一人ひとり異なる発達凸凹を抱えている人の生きづらさをどうにかしたいという思いから活動をスタートした凸凹フューチャーセンターさん。 当初は2人で始まったイベントも、続けていくうちに、参加された方の口コミが口コミを呼び、50人ほどにまで参加される方が増えました。
「自分を大切にする」「他の人の話をよく聞く」「ここで話したことはここだけのヒミツ」という三つのグラウンド・ルールの下で、グラフィック・ファシリテーションという手法を用いることで、凸凹フューチャーセンターさんは、安全で誰もが安心して話せる場づくりに取り組んでいます。 「他の人の話をよく聞く」と一口に言っても、容易なことではありません。 「これまでの人生で、本当のところが通じていない経験があると、一見キャッチボールができているように見えても、自分の気持ちが相手に伝わっているのかどうか不安になってしまう人もいます。」 「たとえば、同じ『しんどい』という言葉でも、ちょっと疲れたくらいの意味なのか、死んでしまいたいほど苦しいのか幅がありますよね。」 「また、対話はしたいのだけれど、じっとして目の前の話に集中することが難しい人もいます。」
言葉だけでは、本当に分かり合えているのか不安になるところに、「楽しい」「しんどい」といった言葉を、「どれくらい楽しいのか」「どれくらいしんどいのか」を絵で可視化し、自分の伝えたいことと相手が理解していることが合っているのかを確認できることで、安心してそこにいられる居場所をつくるのがグラフィック・ファシリテーションを活用する目的なのだそうです。
そうして発達凸凹の当事者・支援者・関係者が立場や肩書きを手放して、安全で誰もが安心して話せる場をつくっていく活動を通して、鈴木さんはあることに気づかれました。 それは「障害は発達凸凹を抱えている人にあるのではなく、社会の側にある」ということです。 発達凸凹を抱えている人は、確かに「普通」の人と比べてできないことも多いように見えるかもしれませんが、人との関係性に不安を感じることなく、安全・安心な場を用意できれば「普通」の人以上に活躍できることも多いという発見があったことから、凸凹フューチャーセンターさんは、あえて「発達障害」ではなく「発達凸凹」という言葉を使われています。
現在は京都を中心に活動されている凸凹フューチャーセンターさんですが、今後は「大切な話をお互いに大切にされながら話せる場を参加される方とともに紡いでいきたい」という思いを胸に、この取り組みを必要としている人に届けるため、活動のフィールドを広げていくことを考えられているそうです。
伏見いきいき市民活動センターでは、7/8(日)に次回のOne day cafe.kyotoが行われます。 何か生きづらさを抱えている方、生きづらさを抱えている方を支えようとしている方にも、誰にでも開かれている安全で安心な場がそこにはあります。 One day cafe.kyotoでは「ここで話したことはここだけのヒミツ」なので、難しいことは考えず、cafeのように気軽に立ち寄ってみてください! ※お問い合わせは凸凹フューチャーセンターさん( https://www.facebook.com/onedaycafe.kyoto/ )までお願いいたします。