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【UTTOCOな人】日下部 淑世 さん② Toshiyo Kusakabe_vol.08 2014


ロングインタビュー:「『めいちゃんち』とは何なのか」と取材に行ったら、これからのワカモノの働き方・暮らし方の話になったという話 Vol.2

単なるシェアハウスという概念では収まりきらないめいちゃんちの多様な取り組みを教えて頂いた Vol1のインタビュー。Vol2では話題は若者のこれからの働き方、暮らし方。シェアってなんだ? 事業として成り立つってどういうことなんだろう?といった話へ。

Vol1はこちら http://fushimi-uttoco.publishers.fm/article/6313/

Q、最近『シェア』という言葉がトレンドになってきていると思います。シェアという言葉の世の中への広がりはどう考えておられますか?

いいことだと思います。しかし流行りであるがゆえにミーハーなものになって、出会いたい人たちに出会えなくなる事は心配しています。

というのもシェアハウスっていうだけで先入観で敬遠していまう人もいると思うんです。みんなでただ住むイメージとしてのシェアハウスと、「めいちゃんち」で実際に起こっている事は少し違うんです。

私たちが自分たちの事を説明するときに、「シェア」という言葉の概念の広さはウリですが、もともとある言葉のイメージから、言葉以上のことが伝わらないのではという心配もあります。

入り口としてシェアハウスという言葉から、従来のイメージを持って集まってきた人達が、様々な人と出会ったり、めいちゃんちが大事にしている事を感じてくれ、それぞれにとっていい形に少しずつ変化していってくれたらいいなと思っています。

Q、シェアハウスというカテゴリーではなく「めいちゃんち」というカテゴリーなんですね。そうなるとまわりは『めいちゃんち』って何なのか、分類したがりますよね?

例えば「恵文社」さんだったらなんて分類します?

           恵文社一乗寺支店ホームページ http://www.keibunsha-books.com/

>う~ん…おしゃれな本屋さんでしょうか?

そう!やっぱり、本屋さんって分類されるんですよね。でも実際はもっといろんなことやっているんです。

結局、共通言語としての名詞は必要で、色んな言葉を駆使してその時々で定義されてしまうものではあると思います。

Q、みんなが認識できるシェアっていう所をもちつつ、本来の思いを大事にしているんですね。大切とする部分を軸としつつ、ビジネス的にも取り組んでいくためには大事なことですね?

めいちゃんちがシェアハウス業として上場できるようなビジネスとして成り立つかというと微妙で。(笑)

起業している人は、自由な時間だけでなく、お金も自由に使えます。私たちは、会社と一心同体で過ごしています。だからこそ、その後の仲間(住人)と仕事をするというフェーズでもっと面白いビジネスがたくさんできると思っています。

Q、「事業として成り立つ」という感覚が違うということですか?

まず私自身、あまりお金がなくてもやっていけてしまうんですね。物欲もないし、住人に食料を恵んでもらうし、人のご好意に甘えたり、欲しいものを作れる人を探しに出かけてしまうので。(笑)

めいちゃんちを通して、住人やその周りのみんなが最終的に幸せになってくれるという事が一番大事なんですよ。

そういった初心を忘れず継続できるということが、私たちにとって事業が成り立っているという状態です。そういう意味で一般的な感覚とは異なるかもしれません。

継続という意味では、入居してくれる住人によって状況は変わるのが、シェアハウスの危ういとこでもあり、興味深いところでもあります。大変ですが、飽きることのない事業です。

Q、『めいちゃんち』という会社としての方向性は大事にしつつも、柔軟に変化していくんですね。一般的な会社や組織は『ここへ向かっていくんだ』と決めて、そこへ向かって全力で取り組んでいくと思うんですが、めいちゃんちの方向性は、かなり緩やかなんですね。

私の中でのルールは多様性を認め合うことです。批判はしてもいいけど、相手の事を否定はしない。人に迷惑をかけない範囲内でやりたいことをどんどん実験をしてもらう。

例えば、海外の人にも遊びに来てほしいという子がいて、ゲストハウス兼シェアハウスみたいになりました。最初は海外の人と話したことのないメンバーも、一緒にお好み焼きを作ったり、遊んだりする中で、企画した住人と一緒に住んでいたからこその経験ができていました。今あるものの善し悪しに関係なく、住人によってカメレオンのように色が変わる。

だから、めいちゃんちって有機的なんですよね。「こういう住人を集めたい」というのではなく、住人がやりたいことをやれるように変化できる場を作るのが大事だと思っています。

     めいちゃんちの玄関。いろんな住人が集い、たくさんの挑戦が生まれています。

Q、住むというよりも、やりたい事とかを実現させるためのいろんな仲間がいるというコミュニティというイメージですね。そういう側面に住人のみなさんは魅力を感じているんでしょう。住人さんがやりたいことって様々なんですか?

最近は、あんまりこれがしたい!って言ってこないですね。外部で実現させている住人が多いです。私はそれは寂しいと思うので色々仕掛けていきたいと思っています。

1年目の住人は、めいちゃんち全体がもっと面白くなるように、家を「住み開き ※1」したいような子が集っていたんですが、これまでの実践の中で、「家では家らしく過ごしたいという子が多いんだな」ということがわかってきました。

だから住人が自由にギャラリーやショップ、イベントスペースとして使える場所を家の外にも創っています。

ある意味で、「他の住人に気をつかわないでいい表現の場」を求めているんですね。

※1日常編集家 アサダワタルさんが提唱。「お店でもなく、公共施設でもなく。無理せず自分のできる範囲で好きなことをきっかけに、ちょっとだけ自宅を開いてみる「住み開き」。」

これからの働き方、暮らし方、あれこれ、、、

Q、最近、若者の間でも「暮らし方」、「働き方」に悩んだり考えたりしている方が多くなってきている気がしています。若者たちが頑張っていくうえでの「生き方」について、どうお考えですか?

そうですね。私としては、「これからこういう社会になるんじゃないか」みたいな事をよくイメージしています。

働き方は10年前に比べれば、かなり多様になってきています。でも一般的に実感を持たれているかというと、まだそれは違うのかなと。

最近になって少しずつ浸透し始めてはいて、たとえばフリーターでも肩身狭く感じなくてもいいんだっていうのが、だんだん世の中の共通認識に変わってくるんだと思います。

これまで社会的な活動に関心のあった人達の間では既にあった概念だけど、中々全体に伝わらなかった事があったと思うんです。それらがもう一回同じ道をたどるように、今度は全体として理解されていくんじゃないかと思うんですね。

例えば「プロボノ※2」とか、ほんとに何年も前からある概念が、もともと関心のある人だけでなく、いろいろな層にまで響いていくんじゃないかと思います。

こういう時に、新しい暮らし方や働き方へ行こうとするたくさんの人達を受け止めてあげる、「受け皿」が必要だと思っています。「それ終わったよ」、「ダサいよ」って言われたとしても、唱え続ける人が必要です。

例えば、働き方については、サラリーマンの中で大手企業がいいって世の中には思われています。

しかし、中小もいいし、フリーターもいいし、家に引きこもっている人でもいいから、その中で「自分が満足する働き方ってなんですか?暮らし方ってなんですか?」という問いをみんなが持ち、みんながそれぞれ見つけて、自分の働き方や暮らし方を認められる社会にどんどんなっていくのではないかなと思っていますので、そのためにはそれを認める受け皿がまず必要です。「めいちゃんち」はその受け皿の一つでもあるんです。

※2 プロボノ 社会人が自らの専門知識や技能を生かして参加する社会貢献活動。ラテン語の「Pro bono publico(公益のために)」からきている。(知恵蔵2014)

Q、私は大学生さんと仕事で関わることが多いですが、自分がやりたい事を「○○じゃない人」という表現が多いと思っています。「サラリーマンじゃない生き方したいね」とか。でも「じゃない」っていうのは「じゃあ何なの?」というと具体的にならない事も多いです。その「じゃないこと」をみんな頑張って表現したり言葉にしようともがいてるんだろうなと思います。そんな若者たちへのコメントをお願いします。(笑)

別に個性とかを考えるのは後からでいいと思うんですよ。既存のもの=古くてダサイと思っているなら説教します。(笑)

私も小学生の時は、名前のない職業に就きたいと思っていました。知ってる職業が少なすぎてここから選ぶの?という疑問があって。正確にはまだ知らない職業に就きたいと思っていました。もしかしたらそういう感覚で言っているのかも知れない。

でも今って頑張って探したら、既存のものに言葉やヒントやイメージがあると思うんです。ないと思い込んで、モラトリアムにならなくていいと思うんです。

悩みながらフリーターになっても大手企業に入ってもいいから、そこで見つけてほしいんです。これじゃないって思ったら、じゃあ、なにが違うのかって考えたらいい。辞めるのが正解なのかもしれないし、続けるのが正解なのかもしれません。正解は自分の中にしかないと思います。

大手企業に勤めながらでも、プロボノ※2 として頑張っている人もいるし、どんな生き方でも恥ずかしい生き方ってないと思うんですよね。それを今、めいちゃんちに住んでいるみんなにも伝えたいんです。

なにがやりたいってわからなくても、ふらふら生きてもいいよって思うんです。

―インタビューを終えて

インタビューから記事発行までの間がだいぶ空いてしまったのですが、その後、めいちゃんちはさらなるステージに向かっておられます。インタビュー中にでてきた、ギャラリーやショップをイメージした空間、職住一体のさらなる展開は、「REDIY」として現実のものになってきておられます。

常にアンテナを張っておられ、いろんな事に「自分なりの考え」を持っておられる好奇心。様々な考えや思いを、実際に形にしていく「行動力」が、めいちゃんちの展開を創りだしていることがとても実感できたインタビューでした。

【INFO】めいちゃんちが仕掛ける職住一体型クリエイティブセンター REDIY

                 REDIY http://mayshare.chu.jp/REDIY/

「リディは、京都中央卸売市場脇にある元乾物屋のビルをリノベーションした職住一体型クリエイティブセンターです。工房・シェアハウス・オフィス・カフェ・ショップを併設し、京都の場づくり集団の基地となります。」

「REDIYは、必要最低限の投資と若手の価値観

『豊かな暮らし、豊かな仕事は自分たちでつくる!』を合い言葉に

プロを目指して成長できるスペースを京都市各地で企画し、

場所・仕事・能力をメンバー同士でシェアしながら作り上げるための仲間を募集します。」

【アクセス】

〒600-8848 京都市下京区朱雀宝蔵町73-1

 JR丹波口駅より徒歩7分

(五条通西へ直進、ユニクロを越えてすぐの角を左折、直進約500m正面)

(取材日:平成26年5月22日)

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