伏見西部地域を若者がもりあげたい!地域と若者がつながる文化祭「あい愛フェスタ」
伏見区には桂川を挟んだ西部地区に久我・久我の杜・羽束師というエリアがあります。この西側のエリアを盛り上げようと様々な市民グループが活動を始めています。
伏見区のこの西部エリアで市民グループが盛り上がりを見せ始める頃に「あい愛フェスタ」という地域のお祭りが開催されました。約80名のボランティアによって運営され、約800名もの多くの地域の方が来場し、たいへんな賑わいになったそうです。
「あい愛フェスタ」は、当時大学生だった、渡辺さんの「地域と若者がもっとつながり、集まる場を作りたい」という思いから始まったそうです。
今回は「あい愛フェスタ」の企画者でもあり実行委員長でもある渡辺さんに当時の思いと「地元伏見でまちづくりを行っていこう!」という思いを聞いてきました。
伏見西部地域を若者がもりあげたい!地域と若者がつながる文化祭「あい愛フェスタ」
あい愛フェスタの開催報告がWEB上でみられます。詳しく知りたい方は以下からご覧いただけます。
地域でつくる地域のお祭のはじまり
Q:「あい愛フェスタ」はどのようなところから生まれていったのですか?
地元には、高校生とかあい愛フェスタとかの世代がたくさん住んでいます。でも朝学校に行ったら夕方とか夜に帰ってくると、あとは寝るだけなんです。
この地域でつながれる手段も集まる場所もなくて、少子化って言われている中これだけ子どもがいるのに、若い力が地域につながっていかない。もっとこの地域の高校生や大学生世代の若者が地域を盛り上げていけたらと思い、学園祭のようなお祭を地域でするという形はどうかと考えたんです。
理想としては、地域の高校生や大学生が1年に1回、地域に集まってきて、地域のためのお祭りを作り、その時に生まれたつながりが、お祭り終了後もずっと続いていくといいなと思っています。
そんなお祭を行うグループが地域に浸透したら、もっと街に対して若者の関心が高まると思うんです。
「この街がこうあったらいいな、こうしてほしいな」という若者の意見をどんどん出していけるような環境に「あい愛フェスタ」がつながっていくようにと考えています。
Q:「あい愛フェスタ」は地域でつくる地域のお祭りですが、久我・久我の杜・羽束師の地域のみなさんの地域への関心は、渡辺さんからはどう見えていますか?
私が小学生だった時の校長先生が熱心なかたで地域のために動いてくださっていました。その校長先生がある日、「あなたの地域(久我、久我の杜、羽束師)は、選挙の投票率が20%切るくらい低いですね。まちへの関心が低いのではないですか」というような事を言われたそうです。
それを聞いた時に、もっと住民も行政の活動に参加していかないといけないし、何かを変えるには1人の人間が「こうしたい!」と言っても「地域全体がこう思っているんですよ」ということを示さないと変わらないということを感じました。
この地域の問題点としては、交通問題があると思っています。交通の整備をどうにかしてほしい、バスの本数を何とか増やせないのかというハード面に目がいってしまいがちです。私もハード面をどうにかしたいとずっと思っていました。
でも、ハード面を充実させるには市民だけでなく企業や行政の協力も重要になってきます。どうやったらハード面を変えていけるんだろうと思った時に、住民自らが意見を伝えられるような体制を作らないと声も伝わらないし、必要性も感じてもらえず、企業や行政は一緒になって動いてくれないと感じました。
その意見を形成し、みんながまとまる場所みたいなものが足りないのではないかと思っています。
地域とつながる
Q:どのような思いで地元、羽束師にてまちづくりをしようと思ったんですか?
なんで地域にこだわるのかって聞かれたら、なんでだろうって考えています。
あるものを活用したいと思っています。この地域に住んでいるのだから、もっと地域でつながりができて、大型ショッピングセンターに車で行ったりするのではなく、もっと近い距離で知ってる人とのつながりがある中で生活ができるほうが楽しいのにって思うんです。
そう考えた時に自分がそのほうが楽しい、そのほうがいいと思っていることを自分が今住んでいるこの地域で実現できたらいいのではないかと思い、地元の羽束師を選びました。
地域のためにっていうよりは、この地域に住んで生活する方がもっと楽しいという思いがあります。
Q:渡辺さんと地域の関係はどのようなものですか?
私自身、典型的な地域とのつながりがない若者なんです。
私の通っていた小学校、中学校は地域に重点を置いている学校でした。田んぼが近いということもあり、田植えや稲刈りなどの活動も多く、地元の農家さんとも関わりがあり藁草履作りや餅つき大会などを通して地域のおじいちゃん、おばあちゃんと関わる機会が多くありました。小学校6年間、中学校3年間地域と関わりながら暮らしていましたが、高校に入ったらそれが全くなくなってしまいました。
幼い時は地域とつながっていたのに高校に入ったらそのつながりが何も残ってないし、仲の良かったおじいちゃんのこととかすっかり忘れてしまっています。もったいないですよね。小学校、中学校、頑張っても高校、大学になると地域とつながる機会がなかなかないと思いました。
私が地域との接点がほしいというのがあったのかもしれません。
好奇心から生まれる新たなもの
Q:一般企業に勤めたり、アルバイトや在宅ワークをやったり…。さまざまな形の「働く」を経験している渡辺さんですが、そんな渡辺さんにとって「働くこと」ってなんですか?
社会の一部になることだと思いました。だから、「働く=自分のやりたいこと」じゃなくてもいいと思ってます。
今、私はアルバイトでフリーターです。今の私がアルバイトでやっていることは「働く=お金を得る」という形が成り立っています。べつにそれでもいいと思っています。
そういう目的でやっていたとしても、社会の一部になっていると思います。働くとは生きることだと言いますが、そこまで大きく考えなくても、どんな事情や目的で働いていても、社会の一部になっているからいいんじゃないかなと思うんです。
自分のやりたいことでお金をもらえるということはいいことだと思うので、最終のゴールはそこに持っていきたいな思っています。
まちづくりも始めから「それで食べていく」っていうのは中々できないから、他で働きながらゆくゆくは収益化できたら素晴らしいなって思っています。
Q:渡辺さんの今後の活動について教えてください
まだまだ方向性は定まっていないです。今やりたいと思っていることは0から1を生み出すこと。NPOや市民活動団体が1番の課題としていると感じている、どうやって収益を生み出しながら活動をしていくかという事にチャレンジしようと考えています。
経験もない私が、昔から活動しているNPOが課題としている事に取り組んでいく事は難しいと自分でもわかっています。
そんなチャレンジはできるのかなと自分でも思うんですけど、すぐに成果がでなくてもやってみようと思っています。ほんとに今からスタートなので。
Q:最後に、同世代の若者に一言お願いします。
自分のワクワクを大事にしてほしいです。やらなきゃ、やらなきゃって思うとしんどいから、自分が「こうやったらもっと素敵になるだろう」って事にワクワクした気持ちで取り組めば、周りの人も力を貸してくれるんじゃないかなって思います。
不安はいっぱいあるし、失敗することだってあるだろうけど、そこだけ見ててもワクワクできないんです。
やるってことに目標設定してしまえば、やるためにどうすればいいかって考えになります。
とりあえず、ワクワクした気持ちでゴールをちゃんと決めてから、「じゃあどうしようかな」って取り組んでいってほしいです。
[執筆:学生スタッフ 藤本]