新型コロナウイルスの影響が続くなか、緊急事態宣言のあけた2021年10月より少しずつさまざまな活動が、感染予防対策を行い再開されています。そんな団体のみなさんのこれからをお聞きする、「利用団体インタビュー2021」。第5回目は、「大正琴サークルそよかぜ」の白木登美子さんにお話をお伺いしました。こちらの団体は、大正琴という楽器の練習サークルで、活動の傍ら、高齢者施設の演奏会などのボランティアも行っておられます。
大正琴サークルそよかぜのみなさん
Q.まず、大正琴という楽器について少し教えてください。
大正琴は、一弦琴(弦が1本の琴)を参考にして、大正時代に作られた日本独自の楽器です。弦楽器の一種で、ピックで弦をはじいて音を出します。ギターは弦を左手で押さえ、振動する弦の長さを調整して音色を変えますが、大正琴は左手でボタンを押すことで弦を押さえます。これはタイプライターにヒントを得たと言われています。ボタンはピアノの鍵盤と同じ並びで出る音も同じです。童謡から演歌、流行りの曲まで何でも弾くことができます。
アルト大正琴
Q.つぎに、貴会についても教えてください。
大正琴サークルそよかぜは、琴伝琉琴正会の練習サークルです。メンバーは、琴伝琉(きんでんりゅう)という流派の琴正会(きんしょうかい)という組織に所属しています。その中で、2週間に1回伏見いきいき市民活動センターで集まり、練習をしているサークルです。
(白木さんが)講師の免許を持っており、メンバーの皆さんに教えながら活動しております。ただ、大正琴はあくまで趣味なので、気張らず気軽に集まり、お話しすることを楽しみながら活動しています。
Q.新型コロナウイルスの感染拡大は、活動に影響がありましたか。
コロナが流行る前は、年に数回ボランティア活動として、老人福祉センターなどの高齢者施設で演奏会を行なっていました。歌声喫茶のようなイメージで、私たちの演奏に合わせて参加者が歌います。1時間で約10曲演奏しますが、アンコールをいただくときもあり、とてもやりがいのある活動でした。しかし、高齢者施設はコロナ対策をしっかりしなければならないということで、ここ2年間は全く開催できていません。
また、緊急事態宣言中やセンターの休館中は活動も休みました。琴正会全体も活動が休止となり、そちらに合わせて休止していました。
Q.大正琴の魅力を教えてください。
まずは、持ち運びが楽です。そして、ボタンを押さえて弦を弾けば誰でも音を出すことができるため、初めての方でも取り組みやすいです。楽譜も数字譜で、音譜が読めない方でも簡単に弾くことができ、演奏方法も型があるため、覚えるとある程度の曲を弾けるようになります。
また、大正琴を続けている人には大正琴の音色が好きという方が多いと思います。練習中もきれいな音に癒されます。音も他の楽器に比べると大きくなく、家で1人で練習したり、家事の合間にリフレッシュできます。定年してから始める人が多く、始めた人は必ず早くから始めればよかったという方ばかりです(笑)。
京都は特に大正琴人口が多く、市内や宇治市には沢山の流派の教室があります。私は大正琴を始めたことで、沢山の仲間ができました。先ほど話にあったボランティアに参加したり、定期的な練習など、生きがいのようになっています。
Q.最後に今後の活動について教えてください。
しばらくは、高齢者施設での演奏会は難しいと思います。センターでの2週間に1回の練習会を大切にしつつ、演奏技術の向上に努めたいと思います。演奏会ができないのは残念ですが、普段の練習でも、今までできなかったことが1つ1つできるようになることが喜びで、日々のモチベーションに繋がります。何より、皆さんと集まって練習することが楽しいです。
また、全員で参加するわけではないですが、琴伝会の京都大会は毎年11月頃にあります。当会は、ソプラノ、アルト、テナー、ベースでアンサンブをする形が基本で、30人から50人ほどで一斉に弾きます。多い時には100人で弾くこともあり、圧巻です。一般の鑑賞も可能ですので、是非いらしてください!
[編集後記]
たまたま僕の家にも大正琴があり、インタビュー以前に触る機会がありました。少し弾いただけでもとてもきれいな音がでます。インタビュー中、演奏していただきましたが、癒されました(笑)。
センターでは、珍しい楽器を練習されている方もたくさんいらっしゃいます。ぜひ、新しい趣味として何か始めてみませんか。メンバーを募集中の団体さんもたくさんいらっしゃいます。ぜひ、センターまでご相談ください!
(柴田)
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